四月馬鹿、四月馬鹿。
どういう意味かは存じ上げませんが
きっと四月限定のことなので御座いましょう
今年の四月は本日で終わり。
明日からは五月が始まります
そして五月には五月で
「五月病」なるものが御座います
では翌月、六月には何があるので御座いましょう？

四月馬鹿　四月馬鹿
五月病に掛かる私は四月馬鹿

逃がさないように
そっとぎゅっと抱きしめて

死なせないように
衣食住すべてを与えて

白い耳を愛おしげに撫でて
赤い瞳をじっと見つめて

「殺さないで」
「助けて」

言葉をちゃんと受け取って
暖かくしてて

一人にしないで
死にたくないから

孤独は嫌なの
寂しくなるのは嫌

部屋に散らばったＣＤアルバム
もはや片付ける気は起きやしない
鉛筆と紙、消しゴム持って
スニーカー引っ掛け外に飛び出す

外は春。実は初夏 
太陽ギラギラ道に照り付け
次第に影を濃くしてく
公園のベンチには既に誰かが座ってる

空を見上げるのか
木々を見るのか
人々をねめつけるのか
陽に目を細めるのか

西のほうへ傾く太陽
私はすっくと立ち上がり
もと来た道を歩き出す
同じものなど無いというのに

散らかった部屋に放る
シャーペンと紙と消しゴム放る
今日も描けなかった
嗚咽を隠して表舞台

風にさらわれる紙
すごく良いものが描けたのに
風に飛ばされ跡形も無い
目を開けるとそれは夢

髪を切った日　外に出る
意味もなく歩く道に意味がある
雲一つない青空の中
今日は描けるといいなと思う