携帯が鳴った
見ずに切った

携帯が鳴った
電源を切った

学校でも、家でも、どこでも同じ
話すことなんて何もない

言葉を忘れてしまった鳥のように
ただ空を飛んでいる

だから着信拒否
話すことなんてないから

だからいつも一人で
だから言葉を忘れて

拒否してるのは俺？
それともお前？

真相なんてどうでもいい
だから俺はいつも一人

全てを拒否
認めない世界

着信拒否をした
携帯が鳴らなくなった

「私はね、貴方の全てを愛しているわ」

掛けられた言葉
僕は戸惑うことしか出来ずに

「だから……殺してあげる」

掛けられた両手
僕は従うことしか出来ずに

「……さようなら。私の一番愛しいひと」

掛けられた最期
僕は笑うことしか出来ずに



暗い道で人を殺した
暗い夜のことだった
暗い表情の私は
暗い血色の手を眺め
暗い海へ身を投げた

損得勘定ばっかの毎日
時間はただただ過ぎてゆく
私は渦の中に一人
声なんてもう届かない

望んだ物は何ですか？
いつも問うばっかり
自分で探そうとはしない正解（こたえ）

夕暮れが遅くなる季節
また私は一人歩く
早く見つけたいanother story
早く抜け出したいforever labyrinth

紙をちぎって空に放る
他愛ない事が愛おしい
歩いて来た道が消えたとしても
そこを歩いた私は消えてないから

見つけ出そうanother story
物語は一つじゃない
どこかにあるanother story
私の掌（て）の中かもしれない


I want another story.
You want another story...?