此処は温室ではない筈だ
何故こうにも生温かく
不愉快にさせるか

声なんて聴きたく無いんだよ
好い加減黙ってくれるかい？
他人と馴れ合う気は更々無いんだよ
好い加減放って置いてくれないか

触れる手　近づく気配
吐き気を催す熱気
情熱？下らな過ぎて反吐が出る

黄色い声も　飾った髪も
視界に這入るだけで破壊してやる
嫌いだ　嫌いだ

速く此の世から居なくなってくれないか

目が覚めていない状態の
とてもとても危険な時間
棄てられた猫　もしくは犬みたく
そこらへんの道　闊歩する

本当に棄てられたのは誰？
僕なのか君なのか猫なのか犬なのか
やがて降ってくる雪に埋もれ
見えなくなったままで

橋の下に居座る希望
僕からはそんなもの　
とうに消え去ったというのに
やめてくれよ　希望なんて。

たまに見る夢　小さな頃
植物園の中の椅子の上
まだ僕がこの世の何もかもを知らなかった頃
まだ幸せで居られた頃

猫について行くかい
犬について行くかい
僕は止めないよ
まだ行く場所があるからね

目が見えなくなっていく午前零時
目の前にある手すら真っ黒さ
顔にかかる髪も真っ黒
僕の背後の君も黒ずくめ

目を閉じてじっとしていたって
また目を開けば見えなくなるのさ
もういっそ心眼で物事を
判断したほうが得策じゃないの

光を失うのが怖いとか
そんなのただの言い訳だから
くだらない呟きだから
わざわざ過剰に反応しないで

今宵もまた午前零時
目が生まれる前へと還ってゆく
その間の事は
誰も誰も知らないまま